四国への船旅〜民間救急らかん・バリアフリー・介護士看護師付き添い旅行【前編】
2020年10月某日。ご入院されている病院から別府港にてフェリーで愛媛県へのお墓参り・同窓会という一日旅行のお手伝いをさせていただきました。
「病気の父をお墓参りに連れて行きたいんです。」 娘様からのご相談
お父様は入院中。
「移動はリクライニング車イスで介助が必要だけど、どうしてもお父様をお墓参りに連れて行きたい。。。」
と娘様がお電話を下さいました。
お父様のお身体の状態を担当のソーシャルワーカー様や看護師様に伺い、何度も何度も入念に打ち合わせをさせていただきました。
お墓参り、同窓会当日のお天気は快晴。
病院に到着するとマスク越しにもわかる程の笑顔。患者様であるお父様と、娘様、お孫様が準備万端で待っていてくださいました。
ソーシャルワーカー様や、看護師様からのお父さまの容態に関する申し送りの後、「じゃ行こうか。」お父様の掛け声と共に私達のお墓参り、同窓会の旅がはじまったのです。
ユニバーサルツーリズム|九州から四国へ、一日旅行の実現
リクライニング車イスのまま当社の民間救急車両に乗り込み、フェリーへの移動はフェリー会社の皆様もお手伝いしてくださいました。
フェリーの中は、感染症対策も考慮し、最上階の個室を利用。エレベーターがなく、階段でしか上がれないのでスタッフが介助器具を使用してお部屋へと向かいます。
個室へ到着し、リラックス出来る様にマットレスへ移乗すると早速の朝ごはんです。
朝ごはんは奥様がご用意してくれた手作りのお弁当。新米のおにぎりはお米がキラキラと輝いており、食事の介助でひと口お食べになると、「新米の銀シャリはたまらんねー。おいしいー」とお父様は笑顔で大喜びされていました。
愛媛県に到着後は、フェリーからまた当社の民間救急車両に乗り込み、今回の目的地ご先祖様のお墓へ向けて出発です。
実現したご家族、ご親族様やご友人様とのお墓参り
お墓に到着すると、もう既にお父様のご親族様やご友人様が、お父様の到着を首を長くして待たれておいででした。どうやらご兄弟さまがご連絡係をしてくれた様です。
車イスを押して緩やかな坂道を登りきるとご先祖様の立派なお墓がありました。お父様とそして娘様、お孫様、ご親族様みんなでお経を唱え、お墓参り。
「来れて良かった。。。」とお父様の心からの声。
お墓から戻ると続々とお父様のご友人様が集まられ、皆様顔を見合わせて笑顔で「あの時はこうだった。。。」と懐かしいお話をされて笑い声が響きわたり、その光景を見守る娘様も安堵の表情を浮かべられていました。
その満面のお顔はとても輝いていて、見ている私たちもホッコリする様な表情でした。最後は生家にてお仏壇参り。昔を懐かしんでおられました。
私達スタッフにもご友人の皆様から、
「一緒に来てくれて、連れて来てくれてありがとう」
と、感謝のお言葉やお褒めのお言葉を沢山いただきました。
楽しい語らいのひと時があっという間に過ぎ、ご友人様とまた会う約束をされ、最後の目的地の産まれ育ったご実家へ向かいました。帰りのフェリーの時間もあり、ご実家ではゆっくりお時間を取ることができませんでしたが、ご実家を眺め、懐かしんでいらっしゃいました。
お父様は、帰りのフェリーでは、一日の疲れのためゆっくり横になり休まれました。
娘様へ、今回のお墓参り・同窓会についてお尋ねすると、
「とにかく連れて行きたかった。行くと決めたら病院のソーシャルワーカーさんも先生も許可してくださって、応援してくれて本当に感謝しています。病気でもこんな事ができるって事をもっともっとみんなに知ってほしい。写真も全て記事のしてくれていいですよ。」
と、とても力強くお話をしてくださいました。
寝たきりの方でも民間救急が叶える一日旅行
行く先にバリアがあっても、医療行為が必要な方でも私達、民間救急なら叶える事が出来る、【ユニバーサルツーリズム】の取り組みがまた一歩実現したこの日の一日旅行。
娘さまとお孫様とそのご家族のお父様との強い絆を感じる事が出来、そのうえ私達も嬉しい気持ちになれた旅行となりました。
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