【むにたび】旅行記|夫婦愛の素敵な大分別府温泉旅行
今回ご相談いただいたのは、ご主人さま。要介護5の奥さまを温泉旅行へ連れて行きたい。こんな相談から始まりました。
温泉旅行では佐賀県の嬉野温泉が、よく利用させてもらっている温泉地なのですが、今回はご家族さまの希望もあり、大分県の別府温泉に行くことになりました。
ご相談いただき、無事にその日を迎えるために、約4ヶ月の間、打ち合わせを重ねながらサポートの支度にのぞみます。
要介護5の方への温泉旅行。バリアフリーな温泉とはいえ介護が必要な方のために作られた訳ではありません。全介助の方をどの様にサポートして、温泉入浴や食事といった旅の醍醐味を感じていただくのか。利用できる可能性のある資機材をしっかりと見直し、シミュレーションを繰り返しながら、少しでも快適にお過ごしいただく為の手段を考え尽くしました。
迎えた当日。ご入院先の病室へ向かうと、外出用のお召しものを着て、私たちを待ってくださっていました。看護師が元気にご挨拶をすると、「こんにちは」と声をかけてくださいました。ご主人さまも、奥さまに「旅行連れて行くって言ってたでしょ。これから一緒に行こう!」そんな言葉に奥さまも嬉しそうなお顔を見せてくれました。
この日の為に、病棟のスタッフさまは外出を想定して、車イスでの院内外を散策や、座位時間の延長リハビリを「院内旅行」と称し、外出準備をなされていたのでした!これには私たちも驚きでした…患者さまの事を思い、リハビリというような言葉を使わず「院内旅行」で外出に慣れる為の準備をしてくださった。この事には私たちも、涙が出るほど嬉しい気持ちになりました。
向かった先は大分県別府温泉。高速を大分県方面へ向かわせ、その地になると湯けむりの香りで別府へ到着したことが分かるほどです。傾斜地にあり、見上げれば山が、下を見渡せば別府湾が広がるとても素敵なロケーションです。
今回お世話になった旅館は、『灯りの宿 燈月』さまです。入り口には福祉車両専用の駐車場が用意され、患者さまと資機材の搬入が容易に行えました。
現地で待ってくださっていたご家族様。久しぶりの再会です。
そして向かったバリアフリー部屋。広がる由布岳の景色がとても綺麗です。リクライニング車椅子でも容易に部屋へ出入りできます。
到着してからの最初のお楽しみは、温泉入浴です。まずはコレ!しっかりと湯船に浸かり、いい気分になっていただきましょう。そうして入浴介助が始まります。温泉に浸かり、ふたたびご家族さまの待つお部屋に戻った患者さまのお顔は、程よく赤らんで表情も柔らかくなり、嬉しそうなお顔でした。これを見たご家族さまもとっても嬉しそうです。良かったーーー。
ゆっくりと温泉入浴を楽しんでもらってスッキリ。
そして次のお楽しみは、お食事です。美味しいものがズラリと並んでますので、車椅子で食材を見て回り、好きなものをピックアップしていただきました。選んだお食事をテーブルに乗せたら、まずは家族で乾杯。乾杯のお飲み物に選ばれたのは……ノンアルコールビールです。看護師サポートの元、ストローからゴクゴクと一気飲み!!久しぶりの喉越しにご家族さまもビックリでした。
美味しいもの、好きなものを食べる姿を見たご主人さまが、「やっぱり美味しいものを食べるときは、勢いがあるねー。」と、食事に意欲的な奥さまの様子にご満足。続いて食事の途中にiPadを持ち寄られ、何やら写真を見せているご様子。「ここ、どこが分かる?」とご質問されました。するとすぐに「〇〇(場所の名前)」とお応えになり、昔2人で訪れた場所の思い出話を楽しそうになされてました。
そんな時もあっという間に過ぎ、寝室に戻る頃には久しぶりの外出に患者さまも眠たそうなご様子。それを見守りながら翌朝を迎えました。
今回のサポートで感じたことは、今回の旅行を通して家族の絆が深まるなぁ。素敵なご夫婦の姿を見て、私もあらためて身近な家族を大切にして過ごしたいと思う事ができました。
当社の【むにたび】が少しでも、ご利用いただいた方の幸せな時間となりますように。唯一無二の想い出づくりのお手伝いができますように。